材料
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路盤材料とその構造的機能について
山内 豊聡
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1967 年 16 巻 165 号 p. 410-413

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抄録

本文は, 道路路盤材料の構造的機能に関する一連の研究成果の概要を述べたものである.
まず路盤材料の性状に関する成果を述べたが, 舗装の合理的設計に資するため, 特に次のような問題を取り扱った. (1) 弾性理論によって予測できない繰返し荷重下におけるたわみと荷重分散効果の推移を, 10万回程度までの特別の繰返し平板載荷実験によって調べた. (2) 路盤材料を, 在来の粒状式材料, 安定処理式材料および単独で固結する性質を持つ粒状式材料の3種類に分類して, それぞれにつき前項に関する特性を調べた.
次に軟弱な路床土上での過大な舗装厚さを排し, 薄くて充分な舗装機能を持ち, しかも経済的な舗装構造とするため, 路床土上に拘束層を設ける提唱とその効果の要点を述べた. 拘束層としては, ソイルセメントのような変形抵抗を与えるものと, ある種のネットのようにたんに路床土のイントルージョンを防ぐ効果のある材料とを取り上げた.
最後にかなり断熱効果があり, しかもソイルセメント程度の強度を備えた気泡コンクリートを寒冷地舗装に応用することに着目し, これを現場打設して上層路盤とする新しい工法について, 現場試験を含む研究成果の要点を紹介した.

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