日本看護技術学会誌
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研究報告
学生相互間採血における看護学生の自己制御の機能と効果的な学習支援
鈴木 真由美櫻井 利江
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2014 年 13 巻 2 号 p. 148-159

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抄録

 本研究は,学生相互間採血における看護学生の自己制御 (self-regulation ; Carver & Scheier 1981) がどのように機能し,教員の学習支援がどのように影響するのか明らかにすることを目的とした.学生相互間採血を終えた248名の学生 (平均年齢21.09±3.75) の自記式質問紙を対象とした.自己制御のきっかけは【相手の感情に沿うことによるプレッシャー】など3因子,行為の基準は【ためらわず,成功するイメージで穿刺】など5因子,実際の行為は【平常心で不安をみせずに穿刺】など5因子,緊張の影響要因は【適切なタイミングで冷静に助言】など3因子,不安の影響要因は【励ましと助言】など3因子が抽出された (項目の因子負荷量.30以上,クロンバックのα係数.60以上).行為の基準と実際の行為で有意な差を認め,学生は思っていたようにはできない行為が多い結果となり,緊張と不安のどちらが強いかで有意な差を認め,教員の学習支援の影響は,学生の不安より緊張を高める結果となった (p <.05).

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© 2014 日本看護技術学会
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