2017 年 16 巻 p. 61-69
本研究は, 看護学生が血圧測定技術を習得するための教材として, 血圧計の開発を行い, その効果を検討した. 研究対象は, A大学看護学科にH25年度入学の通常血圧計を使用して練習した1年生61名 (以下, 通常血圧計使用群), H27年度入学の教材用血圧計を使用して練習した58名 (以下, 教材用血圧計使用群) である. 効果は, 「マンシェットの巻き方 (3項目) 」, 「減圧速度」, 「コロトコフ音の聴き取り」について, 教員による他者評価で行った. 「マンシェットの巻き方」と「コロトコフ音の聴き取り」には差がなかったが, 「減圧速度」は教材用血圧計使用群が, 通常血圧計使用群より正しくできていた (P<0. 01). 教材用血圧計では減圧速度が可視化されるため, 自己の減圧速度を客観的に評価でき, 正確な技術習得につながったと考えられる. 今後は, 「マンシェットの巻き方」や「コロトコフ音の聴き取り」にも効果的な練習ができるよう教材の検討をしていく.