日本看護技術学会誌
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実践報告
レストレスレッグス症候群を呈するパーキンソン 病患者への下腿部保湿ケアの試み
人見 太一谷地 ちぐさ山口 創
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2019 年 18 巻 p. 36-41

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抄録

 本症例は, レストレスレッグス症候群 (RLS) を有すると思われる両下肢の熱感, 疼痛, むずむず感を呈する重度寝たきりのパーキンソン病患者であった. 本症例は, 入浴後に行われている下腿部への保湿塗布により, RLSと思われる症状を強める傾向にあった. 先行研究によれば, 1秒に3~5cmの速さで下腿部への保湿剤塗布を行うことで, リラクセーションの効果が期待できると報告されている. そこで本研究では, 先行研究に基づいた, 1秒に3~5cmの速さを意識した下腿部への保湿塗布の有効性を検討した. 結果, Visual Analog Scaleを指標とした熱感, 疼痛, むずむず感に大きな変化をもたらした. 同時に筋緊張にゆとりがみられ, 若干ではあるが, 関節可動域の変化も確認された.
 本研究は, RLSへの根本的な解決策となるものではなかったが, 本研究で行った方法は, 新たなカウンセリングやコミュニケーション手段の一環として行うことに意義があると考えている. 加えて, 熱感, 疼痛, むずむず感の訴えが減少したことは, RLSを呈することで発症しやすいといわれている抑うつや不安の予防が期待される.

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© 2019 日本看護技術学会
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