2024 年 23 巻 p. 115-122
臨床経験5年以上で病棟責任者が日常的によい看護をしていると認め, 推薦された看護師10名を対象とした. 面接での語りを質的記述的に分析した結果, シャワー浴の方法は【シャワー浴を安全に実施するために準備する】【洗浄剤と湯をたっぷり使い洗い流す】【温熱効果を高める工夫をする】【素早く水分をふき取り保温する】【シャワー浴中の危険を回避する】の5カテゴリー, シャワー浴実施に対する思いは【患者に気分よく過ごしてもらう】【患者が気持ちを語れる機会になる】【回復を実感できる機会になる】【シャワー浴による温まりや爽快感は患者に活力をもたらす】の4カテゴリーが抽出された. 臨床看護師が行うシャワー浴方法は, 温度差による循環動態への影響を回避することや, 浴後予測される疲労に対する準備, 熱放散を最小限に抑え温熱効果を高める安楽性と安全性を保証する方法であった. 観察やかかわりによって推察された個別の身体的・心理的ニーズから判断した意図的な行為によって【患者に気分よく過ごしてもらう】ことを望む看護師の思いが推察された.