2003 年 2 巻 1 号 p. 17-25
感染予防は多職種の人々が予防に関する知識,技術を駆使し,実践の場で適用する必要がある.特に看護ケアや医療処置などを通して患者と接する機会の多い看護職者の行為は感染の媒体となりうることから,感染を予防するためにどのような取り組みが必要であるかを明らかにすることは重要である.その一方で,清潔への援助など看護ケアそのものが感染予防対策になるものがあるが,看護ケアと感染予防の関連について明らかにする取り組みは少ない.さらに,感染症患者や易感染患者にどのような看護ケアが求められているのかなど,看護ケアと感染予防を巡り看護が独自に取り上げるべき多くの課題があることを認識していかねばならない.
院内感染の発生がマスコミ等で取り上げられる度に,医療現場における感染予防対策の遅れや感染予防マニュアルの整備の必要性が指摘されている.マニュアルにそって実践するのもその対象も人間であるから,感染看護活動を考えていく時には,対象と看護職者とそこに介在する看護技術の全体を視野に置くことが必要である.
以上のことから前回のシンポジウムにおいては患者のニーズ,看護技術の改善,看護職者の行動へのアプローチについて取り上げ,意見交換がなされた.
今回のシンポジウムでは,臨床現場や看護基礎教育の場で看護実践または看護教育を行っておられる方々に,それぞれの立場から具体的な取り組みを紹介していただきながら,看護ケアと感染予防に焦点を当てて感染看護の現状と課題について討議したいと考えている.