2005 年 3 巻 1 号 p. 24-31
医療技術の進歩に伴い,化学療法や臓器移植など宿主の易感染性を増大させる医療を受ける患者や,高齢の手術患者が増えてきている.このような易感染患者は感染症に罹患するリスクも高くなり,罹患した場合は本来の疾患から生じるより以上の苦痛をもたらすことになる.
予期せぬ感染から患者を守るためには,日常の看護ケアを評価し感染防止のためのアセスメントを行っていくことが不可欠である.
各施設においても感染予防対策の基本として標準予防策や感染経路別予防策を遵守し,看護ケアと感染防止を行わなければならないことは広く理解されてきている.しかし,実際の感染管理の取り組みには施設による差が大きく,現任教育も徹底していない実情がある.また,看護職員のレデイネスに応じた,系統的な教育も少なく,その教育効果については検討すべきところが多々指摘されているところである.
平成12年からは日本看護協会看護研修学校に認定制度に基づく感染管理課程が設置され,感染管理認定看護師が育成されている.感染予防・管理・監視のできる専門的な知識や高度な技術をもつスペシャリストが誕生しているが,全国にある多くの施設に対応するにはまだまだ認定看護師の数が少なく,今後に期待されているところである.さらに,状況の異なる様々な臨床現場での教育の課題や看護基礎教育における課題を明確にし,日々の看護ケアの充実と質の向上が図れるように努めていくことが求められている.
これらのことを踏まえ今回のシンポジウムでは,臨床現場において新人ナースが感じた基礎教育とのギャップと看護者としてのジレンマに焦点を当て,看護管理者,現任教育者,基礎教育の立場からそれぞれ現状と課題を紹介していただき,「感染看護の現場と教育」というテーマでディスカッションしたいと考えている.