2005 年 3 巻 1 号 p. 32-41
看護者が適切にプリコーションガウンを使用するための検討資料を得ることを目的として,MRSAが血液または尿に含まれた場合の種々のプリコーションガウン裏側への透過性を検討した.未使用の4種のガウン布片をマンニット食塩寒天培地上にのせ,普通液体培地,血液または尿中に混合したMRSA104/mlを50μl滴下し,一定時間毎にガウン裏側へ透過した細菌数を測定した.まず,液体培地中のMRSAを滴下すると,撥水性のないコットン35%・ポリエステル65%のガウンでは,滴下直後から32.8CFUのMRSAの透過がみられた.一方,撥水性のあるポリエステル100%のガウンとプラスチックガウン,撥水性のない制菌加工されたコットン15%・ポリエステル85%のガウンでは,滴下24時間後までMRSAのガウン裏側への透過はみられなかった.次に,血液または尿中に混合したMRSAを制菌加工されたコットン15%・ポリエステル85%のガウンに滴下すると,滴下直後から血液中のMRSAでは42.3CFU,尿中のMRSAでは23.0CFUの菌の透過がみられた.一方,ポリエステル100%のガウンとプラスチックガウンでは菌の透過はみられなかった.これらの結果より,看護ケアにおいてMRSA感染患者の血液や尿と接する可能性がある場合,看護者は撥水性のガウンを用いるべきであり,制菌加工されたガウンを使用する場合でも安全であると過信してはいけないことが示唆された.