2012 年 8 巻 1 号 p. 32-39
本研究は,学生の実習中のユニフォーム汚染と洗濯法による違いを細菌学的に検証し,ユニフォームを介した接触感染の可能性を明らかにし,その管理の在り方を検討することを目的とした。対象は,基礎看護学実習を履修した看護学生のうち同意の得られた20名である。研究方法は,ユニフォームの細菌学的評価(一般細菌,MRSA)と洗濯状況との関連性を検討した。なお,受け持ち患者には,MRSA保菌者はいなかった。看護学実習中の学生は,8日間の実習中平均4.1回ユニフォームの洗濯をしていた。65%の学生が一般衣類と一緒に洗濯しており(混合群),ユニフォームのみを洗濯した単独群と比べ,一般細菌のコロニー数が有意に多かった。一般細菌のコロニー数は,1日の実習による着用前と比ベ着用後胸部,ポケット,ズボンの裾で増加傾向を示した。また,MRSAは1日目のポケットで着用前(0.1cfu/10cm2)と比べ,着用後(0.3cfu/10cm2)のコロニー数が有意に増加していた。なお,一般細菌及びMRSAのコロニー数は,実習1日目と5日目の着用後に有意な差はなかった。ユニフォームは,洗濯方法で汚染状態が異なり,一日の実習を経ることで病原微生物の付着がある。そのため,学生が洗濯せずにユニフォームの着用を継続することの感染管理上の問題があった。学生のユニフォームは,毎日交換し,洗濯を外注管理する方法や,自宅で洗濯する場合漂白剤を併用し,単独で洗濯する必要性が示唆された。