2013 年 9 巻 1 号 p. 20-29
〔目的〕本研究は,2年次の臨地実習の場で,手指消毒薬の携帯が,学生の手指衛生のコンプライアンス及び手洗い技術に与える効果を評価することを目的とした.
〔方法〕看護基礎教育課程2年生20人を対象とし,無作為割り当てで手指消毒薬の携帯群(携帯群)と携帯しない群(未携帯群)を設定し,臨地実習期間中の手指衛生のコンプライアンスに関する調査,手洗い技術の細菌学的評価を実施した.
〔結果〕手指衛生の実施回数は,衛生学的手洗い及び手指消毒ともに実習の経過とともに増加した.携帯群の手指消毒薬の使用量もともに増加した.手指衛生の実施の自己評価は,いずれの場面も携帯群が高い傾向が示された.手指消毒の携帯群は,未携帯群と比べ,手指消毒回数(2,3,8日目)が統計学的有意に増加し,手指衛生が推奨される場面のうちケア実施前を中心に手指衛生のコンプライアンスが高まる傾向が示された項目もあった.一方,衛生学的手洗い回数では未携帯群のほうが多く,消毒薬の携帯は衛生学的手洗いの細困学的評価に影響しなかったことが明らかになった.
〔考察〕学生は,講義や演習で感染予防に関する意識づけが高められており,さらに消毒薬を携帯したことで手指消毒の実施率が高まったことが明らかになった.消毒薬の携帯は,臨地実習中の手指衛生のコンプライアンスに効果がある可能性が示唆された.