2022 年 27 巻 1 号 p. 28-
【要旨】インフルエンザ菌b型(Hib)および肺炎球菌は、小児における髄膜炎、敗血症などの侵襲性細菌感染症の代表的起因菌である。これらの細菌に対するワクチンは 2011 年に入り多くの自治体で公費助成による接種が可能になり、2013 年より定期接種プログラムに導入された。ワクチン導入後に Hib および肺炎球菌による侵襲性感染症の減少が明らかとなった。肺炎球菌の血清型解析では、ワクチンでカバーされない血清型の増加が示された。またB群溶連菌(GBS)による髄膜炎は減少していない。より幅広い血清型の肺炎球菌および GBS に対応可能なワクチンの開発が待望される。今後もワクチン効果の正確な評価を行うために、分離菌血清型の変化についてのサーベイランスが重要である。