NEUROSURGICAL EMERGENCY
Online ISSN : 2434-0561
Print ISSN : 1342-6214
ホットラインデータから見える脳卒中診療の地域情勢
—大阪医科大学附属病院脳卒中ホットラインと高槻市・茨木市の現状—
福村 匡央古瀬 元雅松原 功明矢木 亮吉平松 亮辻 優一郎朴 陽太池田 直廉野々口 直助川端 信司田村 陽史黒岩 敏彦
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2019 年 24 巻 1 号 p. 6-13

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抄録

 【はじめに】脳卒中ホットラインのデータを解析し,当院および当院診療圏の脳卒中診療の特徴と問題点を明らかにした.【方 法】当院のホットラインは,近隣の医療機関と当院脳神経外科医の直通電話である.2016年2月から2017年1月の1年間にホットライン紹介症例のデータを収集し分析した.【結 果】54人の患者が紹介された.月曜日の紹介が最も多く,47例が日勤帯での紹介であった.18の医療機関より紹介があり,脳神経外科医が常在しない総合病院からの紹介が最多であった(56%).脳卒中は37例(69%),頭部外傷は12例(22%)であった.脳梗塞26例中,発症8時間以内に搬送されたのは2例のみであった.rt‒PA投与症例はなく,1例で急性期血行再建療法を施行した.【結 論】当院のホットラインは,急性期脳卒中医療への貢献は認められなかったが,当院が脳神経外科・脳卒中診療の手薄な地域の受け皿となる連携に寄与していた.

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© 2019 日本脳神経外科救急学会

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