NEUROSURGICAL EMERGENCY
Online ISSN : 2434-0561
Print ISSN : 1342-6214
救急搬送受け入れ断り症例の検討から救急搬送受け入れ困難への対策
山田 哲久名取 良弘
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2019 年 24 巻 1 号 p. 1-5

詳細
抄録

 当院は人口43万人の医療圏で唯一の救命救急センターである.救急搬送件数も年々増加し2013年には年間8,000件を超えており,受け入れ困難症例が多くなってきた.2015年と2016年の救急搬送受け入れ断り症例に関して検討を行った.2015年救急搬送件数7,846件,救急搬送受け入れ断り症例は191件(2.4%)であった.2016年救急搬送件数7,161件,救急搬送受け入れ断り症例は538件(7.0%)であった.断った理由が当院側にある(救急外来満床,入院病床満床など)割合は,2015年は40%で,2016年は32%であった.三次症例は可能な限り受け入れが必要である.軽症を断ることで,救急外来満床,入院病床満床を減らすことが可能となると考え,近隣二次病院へ軽症患者受入の依頼,救急隊に軽症患者を二次病院へ搬送依頼を行った.2017年には,断り症例はさらに増加し,救急外来満床,入院病床満床が増えた.受け入れ体制の整備だけでは限界があり,退院促進,救急病床退室促進など出口側の体制整備が必要である.

著者関連情報
© 2019 日本脳神経外科救急学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
次の記事
feedback
Top