抄録
LDは学習面に関する特性であり、発見が遅れやすいことが知られている。二次障害に至る前に発見、対応するためにも、LDの特性理解をすることが不可欠である。日本におけるLD、特に発達性読み書き障害は、複数の認知機能が関わると考えられている。今回は音韻情報処理と視覚情報処理の代表的な障害に焦点を当てて概観した。指導法に関しては、ルリヤの機能的再編成の考え方に触れながら、かな文字の読み、書きに関する効果的な訓練方法を紹介した。集団指導における合理的配慮に関しては若干の具体例を紹介した。北海道において、発達性読み書き障害への理解と対応は十分な状況とは言えないが、教育機関、行政機関、研究機関ともに課題への解決を模索していく事が重要と考えられる。