神経治療学
Online ISSN : 2189-7824
Print ISSN : 0916-8443
ISSN-L : 2189-7824
原著
IgMλ型M蛋白血症に併う反復する両側性声帯麻痺に対して 免疫治療が奏効した1例
金塚 陽一山崎 舞子山口 滋紀
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 34 巻 3 号 p. 311-314

詳細
抄録

82歳女性.呼吸困難のため当院入院.両側性声帯麻痺,末梢神経伝導検査で多発ニューロパチーを認め免疫グロブリン療法1クール,副腎皮質ステロイドパルス療法を2クール施行し改善した.8か月後に再度両側性声帯麻痺を認め,副腎皮質ステロイドパルス療法を2クール施行し改善,prednisolone(PSL)加療を継続した.11か月後にも再び両側性声帯麻痺を生じたが,副腎皮質ステロイドパルス療法1クールを施行し改善した.以後はPSLにAzathioprine(AZT)を併用し安定した.monoclonal gammopathy of undetermined significance(MGUS)とされるIgMλ型M蛋白血症を認め,これによるニューロパチーを考慮した.免疫治療により改善するM蛋白血症併発両側性声帯麻痺の存在が示され,本邦初論文として報告する.

著者関連情報
© 2017 日本神経治療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top