2018 年 35 巻 2 号 p. 113-117
Alzheimer型認知症(Alzheimer's Disease;AD)は,シナプス活動の低下による脳内回路破綻が認知機能障害を引き起こす原因ともされており,シナプス機能の改善を目指した治療法が注目されつつある.反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation;rTMS)は,シナプスの可塑性に注目した非侵襲脳刺激療法であり,ADを含む神経変性疾患へのニューロモデュレーション治療としての応用が期待されている.近年,海外からADに対する臨床研究の報告が増加しており,新たな治療アプローチとして注目されている.rTMSについて解説するとともに,ADに対するrTMSの最近の臨床報告について紹介する.