2018 年 35 巻 4 号 p. 561-566
筋ジストロフィー病棟入院患者データベースでは,1999年から毎年10月1日時点の全国27筋ジストロフィー専門施設入院患者の臨床情報を収集している.本報告では,筋強直性ジストロフィー(myotonic dystrophy:DM)の検討を行った.1999年には331例あったDM入院例数は2005年まで増加傾向,その後370例前後で推移した.年齢層は40~50歳代が中心であったが,60歳代以上高齢層が徐々に増加した.1999年に19.9%であった人工呼吸療法施行率は経年的に上昇し,2009年以降は50%以上となった.また,1999年に86.1%であった経口摂取率は低下傾向で,2013年には50%台となった.2000年から2013年までの14年間に602死亡例が報告された.死因の30~50%を呼吸器関連死が,20~30%を心臓関連死が占め,これらは死因全体の50~80%に相当した.死亡時平均年齢は,2000年で57.6歳であったが,徐々に上昇し,2013年には59.6歳になった.筋ジストロフィー専門施設入院中のDM患者は高齢化,重症化しており,その対策も検討する必要がある.