2019 年 36 巻 3 号 p. 317-320
Parkinson disease(PD)患者では日中の過度の眠気がみられることがあり,そのリスク因子としてPD治療薬の関与が報告されている.今回,PD患者の内服薬と眠気について調査するため,当科を受診したPD患者に対しEpworth Sleepiness Scale(ESS)を施行し,PD治療薬との関連について検討した.ESSスコアはPD治療薬総量,罹病期間,PD重症度と有意な正の相関を認めた.Dopamine agonist(DA)使用患者はESSスコアがDA未使用患者よりも高かった.原因としてDA使用患者はPD治療薬総量が多く,総量増加に伴うESSスコアの上昇が考えられた.また,突発的睡眠はDA使用患者,未使用患者共にみられ,突発的睡眠を認める患者でESSスコアが高い結果が得られたことから,全てのPD患者で突発的睡眠に注意が必要であり,ESSスコアが突発的睡眠の指標になることが示唆された.