神経治療学
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原著
前庭性片頭痛との鑑別を要したMénière病の1例
舩越 慶今野 渉平田 幸一
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2020 年 37 巻 1 号 p. 39-42

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抄録

症例は前兆のない片頭痛の既往のある37歳男性.左耳閉感で発症し,第3病日に浮動性めまい,起立時に増悪する頭痛,嘔吐が出現.rizatriptanは無効.頭部MRIに特記すべき異常なく,第7病日に耳鼻科受診.眼振はなかったがオージオグラムで左低音難聴あり,Ménière病疑いでisosorbideが開始された.徐々に浮遊感を伴う頭痛は改善し,第13病日に聴力検査は正常化し,第20病日に症状も寛解した.7か月後に難聴が再燃するも頭痛はなく,adenosine triphosphate内服にて症状は寛解し,以後再発はない.鑑別診断として,当初前庭性片頭痛が挙げられたが,結果的に頭痛は72時間以上持続したことから除外された.頭痛はMénière病による症状と考えられた.片頭痛はMénière病を合併するとされている.片頭痛の患者において頭痛にめまいを伴った場合,前庭性片頭痛の他に,Ménière病を鑑別する必要があると考えられた.

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© 2020 日本神経治療学会
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