神経治療学
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Print ISSN : 0916-8443
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原著
神経変性疾患による歩行障害に対する重心動揺リアルタイムフィードバック装置の効果
中島 由史後藤 公文
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2020 年 37 巻 1 号 p. 47-50

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抄録

重心動揺リアルタイムフィードバック装置(Balance Adjustment System:BASYS)は,立位姿勢調整における随意運動と反射調整のバランスを調整する姿勢リハビリテーション用のプラットホーム型の機器である.われわれはParkinson病患者と脊髄小脳変性症患者にBASYSを用いたリハビリテーション実施した結果,10m歩行における歩数,時間及び歩行速度が改善し,その効果が5日から7日の間は維持することを確認した.立位姿勢を維持するために下腿筋群が活動した結果生じる,筋紡錘からの固有感覚情報による下位運動中枢の活性化と,伸張反射による神経回路の賦活化が歩行機能の改善に寄与した可能性がある.

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© 2020 日本神経治療学会
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