2020 年 37 巻 3 号 p. 430-434
誤嚥性肺炎はParkinson病(PD)の生命予後にかかわる重要な合併症の一つであるが,その発症に関連する因子についての報告は少ない.本研究では,嚥下造影検査を施行したPD患者の誤嚥性肺炎に関連する因子について検討した.対象は当院脳神経内科へ入院したPD患者24名.平均年齢は75.3歳,平均罹病期間は9.2年.方法:入院から嚥下造影検査までの期間に誤嚥性肺炎を発症したか否かによって,肺炎あり群と肺炎なし群の2群に分け,両群間で年齢,PDの罹病期間,入院期間,Hoehn & Yahr(HY)重症度,血清アルブミン値,body mass index,mini mental state examination(MMSE),歩行能力,咳嗽時の最大呼気流量(peak cough flow:PCF)値,反復唾液のみテスト,自己喀痰排出,声量,嚥下機能,不顕性誤嚥を比較した.結果:HY,MMSE,歩行能力,PCF値,自己喀痰排出,声量,嚥下機能,反復唾液のみテスト,不顕性誤嚥の項目で有意差を認めた(各々p<0.05).ロジスティック回帰分析の結果から,肺炎発症の有無に関連する因子としてPCF値(p<0.01)と,不顕性誤嚥(p<0.01),および嚥下機能(p<0.01)が抽出された.結論:PD患者の誤嚥性肺炎発症に関連する因子としてはPCFが有用であることが示唆された.