神経治療学
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症例報告
ウェアリングオフ症状に対してlevodopa懸濁溶液の頻回服用を行い,業務を継続できたParkinson病の1例
村上 佳史川崎 敬太郎馬越 翔太野元 正弘
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2022 年 39 巻 1 号 p. 34-36

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抄録

Parkinson病はlevodopa内服により症状は改善するが,進行期では薬効の持続しないウェアリングオフが課題となる1.今回ウェアリングオフが顕著であったが,levodopaを懸濁し頻回服用により業務を継続できたParkinson病症例を経験したので報告する.症例は52歳男性で,39歳より左上肢の使いにくさで発症し,46歳からウェアリングオフ現象が起こり,51歳時にオフ症状のため業務の継続が困難となった.このためlevodopa製剤1日量(levodopa/carbidopa/entacapone 6錠,levodopa/benserazide 6錠)をペットボトルに懸濁し1時間ごとに16回の服用としたところ,動けない時間が消失し業務出来るようになった.Levodopa懸濁液の頻回服用により血中濃度の変動が軽減されたと予想され,オフ症状の強いParkinson病では,懸濁を用いたlevodopa治療が有用である可能性がある.

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© 2022 日本神経治療学会
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