2022 年 39 巻 1 号 p. 37-41
症例は39歳女性.7日間の発熱持続後に発症した意識障害を伴う全身性の強直間代性痙攣を主訴に救急搬送となった.頭蓋内疾患や代謝性障害は否定的で,複数の抗痙攣薬や鎮静薬を投与するも発作の抑制に難渋し,new–onset refractory status epilepticus(NORSE)に合致する臨床像であった.早期からの免疫療法に加え,人工呼吸器管理下でのthiamylal coma therapyを行った.発作の軽減に応じてthiamylal sodiumを漸減し,鎮静剤投与および人工呼吸器からの離脱に成功したが,離脱後から両手指と両足趾にテタニー様症状が出現した.
NORSEは未だ原因が不明で,様々な併発症状が報告されているが,テタニー様肢位の併発はこれまでになく,文献的考察を加えて報告する.