神経治療学
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症例報告
妊娠中の視神経脊髄炎患者に対する理学療法経験
瀬尾 哲山内 真哉児玉 典彦内山 侑紀道免 和久
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2022 年 39 巻 2 号 p. 89-93

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抄録

妊娠後に抗アクアポリン4抗体陽性視神経脊髄炎を再発し重度の機能障害を呈した症例に対する理学療法を経験した.症例は妊娠初期(16週未満),疾患の影響により流産リスクが高いことが予想された.運動負荷に伴う母児への負担を低減させるため,運動療法の中断と中止基準を設定し理学療法を行った.妊娠初期はベッド上で廃用症候群の予防に努め,妊娠安定期(16週以降)に移行したタイミングで歩行訓練を開始し運動負荷量と訓練時間を漸増させた.視力障害,痙性対麻痺,下肢感覚障害の改善により杖歩行が可能になり,第75病日に自宅退院した.全訓練期間において母児の有害事象発生は無く,妊娠経過は良好なまま維持されていた.免疫治療による機能改善に加え,運動方法を調整することで母児への負担を低減させ,安全に理学療法を実施できた.

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© 2022 日本神経治療学会
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