神経治療学
Online ISSN : 2189-7824
Print ISSN : 0916-8443
ISSN-L : 2189-7824
治療経験レポート
異なる身体機能レベルの封入体筋炎患者2例に対してHybrid Assistive Limbを用いた運動療法の臨床経過について
北井 真太郎熊原 啓大枝 直矢村上 祐介佐藤 恒太
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 41 巻 5 号 p. 773-776

詳細
抄録

目的:異なる身体機能レベルの封入体筋炎(Inclusion Body Myositis:IBM)患者2例に対して,身体機能レベルに応じた運動課題を設定し,Hybrid Assistive Limb(HAL)を用いた運動療法を実施した経験を報告する.

方法:症例1は下肢筋力低下と起立困難を主訴とする60代の男性で,リハビリテーションの目標は起立動作の改善とし,HALはSTANDモードに設定した.症例2は下肢筋力低下と階段昇降および起立動作の困難を主訴とする60代の女性で,リハビリテーションの目標は歩行と階段昇降の改善とし,HALはWALKモードに設定した.それぞれ1回あたり60分間のHALリハビリテーションを4週間のうちに合計9回行い,3ヵ月空けて2回施行した.

結果:症例1では,起立最小座面高の低下や歩行速度の向上,血清CK値の低下を認め,EQ–5D–3Lは維持または改善された.症例2では,歩行速度の向上や2分間歩行距離の向上,血清Creatinine Kinase(CK)値の低下を認め,EQ–5D–3Lは維持された.

結論:本研究では,HALを用いたリハビリテーションがIBM患者の歩行能力向上だけでなく,Quality Of Life(QOL)の維持に寄与する可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2024 日本神経治療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top