知能と情報
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用語解説
フォクソノミー(Folksonomy)
丹羽 智史
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2007 年 19 巻 2 号 p. 149

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抄録

オープンバイオとは,バイオインフォマティクス(生命情報学)の分野におけるオープンソースなソフトウェア開発のコミュニティを指す造語である.バイオインフォマティクスは生命現象をコンピュータを利用して解析する研究分野で,ヒトゲノムに代表されるDNAの塩基配列や,DNAから作られるタンパク質のアミノ酸配列,タンパク質の3次元立体構造の解析などを中心に発展してきた.1990年ごろから,様々な生物種のゲノムを全て解読するゲノムプロジェクトが進展するとともに,そこで生産される大量のデータを処理し,その意味を解析するために,基盤となるデータベースの作成や類似性検索などの技術開発が行われてきた.生物学で扱われる多様なデータは主にテキスト形式で流通しており,配列データは塩基やアミノ酸を1文字で表記した文字列として扱われるほか,自然言語による機能注釈や,解析アプリケーションの出力結果の整理など,解析のパイプラインでは文字列処理が多用される.そのため,正規表現など文字列処理に強く開発効率の高いPerlのようなスクリプト言語がゲノムプロジェクトの発展に大きく貢献してきた.その際に,再利用できる形でライブラリの整備を行う機運が高まり,BioPerlをはじめとするオープンソースプロジェクトが発足した.その後,各言語ごとに BioJava,BioPython,BioRubyなどバイオインフォマティクス用のライブラリ開発が進められてきた.これらは全て国際的な研究者コミュニティによるボランティアのプロジェクトであり,ソフトウェア開発に必要なサーバの管理などを支援し,研究会の開催などを組織するために,非営利団体であるOpen Bio Foundation(OBF)が設立された.そのため,OBFの理念に沿ったソフトウェアをオープンソースで開発するコミュニティやそのプロダクトを指してオープンバイオと呼んでいる.

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© 2007 日本知能情報ファジィ学会
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