知能と情報
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目次
巻頭言
特集:「現実課題に向けたソフトコンピューティング的解決の推進」
特集解説
一般解説
用語解説
会  告
学会から
編集後記
特集論文:「現実課題に向けたソフトコンピューティング的解決の推進」
実践研究論文
  • 徳武 悠, 井上 翔太, 岡本 一志
    原稿種別: 実践研究論文
    2025 年37 巻4 号 p. 671-679
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    テレビCMの放送スケジューリングは手作業で行われており,作業の効率化と自動化はテレビ局の重要な課題である.本研究では,CM放送スケジューリングの一括作案の自動化を目指し,作案タスクを4種類の0-1整数計画問題としてモデル化し,その問題の解の特性を評価している.提案モデルの中でも特に,週分割モデルは月の前半の週から放送枠を使用することを,貪欲法モデルはすべての放送枠を一定割合で使用することをそれぞれ目的としている.国内のテレビ局で実際に実施されたデータをベースとした1ヶ月分の作案用データを用いた評価実験から,どの提案モデルも指定された契約の目標GRPを概ね達成する解を出力可能なことを明らかにしている.さらに,設計の意図どおり,週分割モデルは月の前半の週から放送枠を使用する傾向があり,貪欲法モデルは全体・週・曜日の各観点ですべての放送枠を一定割合で使用する傾向があることを確認している.

原著論文
  • 星野 孝総, 橋本 大輔
    原稿種別: 原著論文
    2025 年37 巻4 号 p. 680-694
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    本研究では,荷物搬送問題におけるデッドロックの回避および搬送タスク効率の向上を目的として,相対ベクトルに基づくルールを導入した強化学習手法を提案する.本手法では,エージェント間で報酬を共有せず,各エージェントが独立に最適な行動を学習できるよう設計されている.エージェントは現在位置と過去位置から相対ベクトルを生成し,これを活用することで,部分観測環境下でも正確な環境認識と効率的な学習を実現する.実験により,本手法はエージェント間の相互干渉を軽減し,一時的な停止行動の獲得を通じて,搬送タスク遂行効率(荷物搬出量)を向上させる効果があることが確認された.また,一部のエージェントが他のエージェントの通過を優先するような利他的な行動を選択する傾向も観察されたが,これは設計によって明示的に誘導されたものではなく,各エージェントが内部報酬の最適化を通じて自律的に獲得した行動選択の結果である.本研究は,報酬を共有しない分散的な設定においても,強化学習による協調行動の自発的な獲得が可能であることを示し,動的かつ複雑な環境における実用的かつ効率的な学習フレームワークを提案するものである.

  • 星野 孝総, 宇田見 萌衣葵, ラスナヤケ ナマル
    原稿種別: 原著論文
    2025 年37 巻4 号 p. 695-707
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    本研究では,リアルタイム制御システム向けのFPGAベースの適応型ニューロファジィ推論システム(ANFIS)の低遅延推論を目的とし,その設計と評価を行った.近年,AI-IoTの発展に伴い,低遅延かつ低消費電力なAI推論がエッジデバイスに求められている.本研究では,学習済みANFISモデルをC言語(CPU実装)とVerilog HDL(FPGA実装)で設計し,アイリスデータセットとバランススケールデータセットを用いて,分類性能,処理速度,消費電力を比較検証した.アイリスデータセットの分類において,FPGA実装はCPUと比較して約1.7倍の高速化と大幅な消費電力の削減を達成した.また,バランススケールデータセットを用いた検証では,16ビット浮動小数点演算による精度限界が推論の不安定性に及ぼす影響を議論し,実装上の課題を明らかにした.以上の結果から,FPGA上でのANFIS実装がリアルタイム制御やエッジAIへの応用において有効であることを示した.

  • 三浦 朋樹, 大前 佑斗, 齋藤 佑記, 森 雅也, 柿本 陽平, 奥村 恭男, 豊谷 純
    原稿種別: 原著論文
    2025 年37 巻4 号 p. 708-716
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    患者に対する侵襲的な検査を非侵襲なものに代理させる医療用Convolutional Neural Networks(CNNs)を構築する場合,侵襲的な検査によって得られたデータが教師データとなる.このことから,限定的な教師データサイズで構築された医療用CNNがある状況下において,むやみに教師データの不足を指摘することは望ましくなく,性能の改善が見込める場合にのみ,教師データの収集を検討すべきである.そのため本研究では,既存研究で構築された医療用CNNに対し,教師データを集めるべきかどうか検証する.具体的には,心不全のリスクスコアである肺動脈楔入圧を胸部X線画像から推定するモデル構築のためのデータセットを用い,データサイズを増やしながらCNNを構築し,汎化性能と顕著性マップの変動を観察した.その結果,教師データサイズに対する汎化性能が収束域に到達していないこと,少数の教師データにより構築されたCNNは心臓全体を見ているのに対し,多数の教師データにより構築されたCNNは心不全と関連する部位のみを集中して見ることが確認された.このことから,この事例においては,教師データを増大させることで,汎化性能と顕著性マップの改善が期待される.

一般論文
原著論文
  • 中島 智晴, 下田 萌喜, 楠木 祥文, 油谷 謙介, 吉本 智
    原稿種別: 原著論文
    2025 年37 巻4 号 p. 717-724
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    セルフロックナットを自動で締め付けるハンドナットランナのための自動着座検知システムを開発した.本研究では特に,航空機の組み立てに使用される特殊なセルフロックナットに焦点を当てている.このナットは一般的に使用されているナットとは形状が異なり,簡単に緩まない特徴を持つ.そのため,トルクの締め付けに観測されるトルク値に不規則性があり,着座を自動検出することが困難である.本論文では,進化計算技術を利用してセルフロックナットの着座を検出する方法を提案する.提案手法はホテリングの異常検知を応用したもので,まずセンサ値から指標を作成し,その指標が基準を満たしたときに着座と判定する.判定に使用する指標の作成は進化計算により生成される.数値実験により提案手法の有効性が示された.

  • 目良 和也, 黒澤 義明, 中山 仁史, 竹澤 寿幸
    原稿種別: 原著論文
    2025 年37 巻4 号 p. 725-733
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    近年,機械学習による音声感情認識や感情音声合成処理を行う際の学習データとして,演技感情ラベルを付与した演技感情音声データベースが用いられることが多い.しかし,演技感情がどの程度他者評価と一致するかや,自然な感情演技を行う演技方法の比較や分析はこれまで十分に行われていない.本研究では演技音声に対する演技感情と他者評価感情の関係性および演技手法としての感情移入演技と技術演技による演技音声の音響的差異に注目した比較分析を可能とする広島市立大学感情音声データベース(HCUDB)を構築した.本データベースは各音声に対して演技感情ラベルと他者評価感情ラベルの両方が付与された“演技感情–他者評価感情コーパス(HCUDB1)”と,同一話者が異なる演技方法で演じた“感情移入演技–技術演技比較コーパス(HCUDB2)”から構成される.本論文ではこれらコーパスの音声収録方法および感情ラベリング方法について説明し,さらに本データベースに収録されている音声の音響特徴量についての統計分析結果を示す.

  • 本間 洸晴, 眞部 雄介
    原稿種別: 原著論文
    2025 年37 巻4 号 p. 734-742
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    継続認証とは,最初の1回だけでなく継続的に複数回の認証を行うことで不正アクセスを防ぐセキュリティ技術の1つである.本研究では,継続認証アルゴリズムの1つであるDPTM(Dynamic Probability Trust Model)の改良手法を提案する.具体的には,正規ユーザの早期のロックアウトを防ぐために,既存のDPTMにおけるTrust値算出に関連する式を修正する.被験者20名から収集したハードウェアキーボードの打鍵データを用いた実験の結果,改良型DPTMは従来のDPTMよりも連続認証タスクにおいて優れた性能を発揮することを示す.

  • 青木 健, 張 強, 立川 智章
    原稿種別: 原著論文
    2025 年37 巻4 号 p. 743-750
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    時系列予測は,異常検知や意思決定のために不可欠な情報技術の一つである.多くの時系列データは様々な非定常性を含み,それを完全に除去することは困難であるため,オンラインでの継続的な学習が重要である.大脳新皮質学習(Cortical Learning Algorithm,以下CLA)は,人間の大脳新皮質を模倣した,オンラインでの学習および時系列予測に適したアルゴリズムである.本研究では,よりオンラインでの学習が可能なCLAの実現を目的として,事前に設定される入力の上限値および下限値を超えた入力に対応する方法を提案する.実験の結果,入力値の上下限制約を撤廃できるだけでなく,学習器の入力の表現粒度を適切に保つことで予測精度が向上することを示す.

  • 宮島 洋文
    原稿種別: 原著論文
    2025 年37 巻4 号 p. 751-759
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    分解データを用いた秘匿分散処理に関するBP学習法が提案されている.この方法は,安心かつ安全な学習法であるが,パラメータ数やサーバ間の通信回数が多い欠点がある.これらの欠点を改善するために,分解パラメータを中央サーバでのみ更新する学習方法を提案する.従来法と提案法のパラメータ数や通信コストを示し,また数値実験によってその精度を評価する.その結果,Q個のサーバを持つモデルで,従来の1/Qの分解パラメータを持つモデルに匹敵する精度を達成できることを示す.

  • Yuto ASAI, Yutoku TAKAHASHI, Jun YONEYAMA
    原稿種別: 原著論文
    2025 年37 巻4 号 p. 760-766
    発行日: 2025/11/15
    公開日: 2025/11/15
    ジャーナル フリー

    We propose new observer-based fuzzy controllers for general Takagi-Sugeno fuzzy system with nonlinear output equations and unmeasurable premise variables. For Takagi-Sugeno fuzzy systems with the unmeasurable premise variables, the separation principle may not hold in general. To overcome this difficulty, we employ the differential mean value theorem and the sector nonlinearity approach to reformulate as an appropriate error system in which the errors between the actual states and its estimates follow. Then, with the state feedback controller and the error system, we have an augmented closed-loop system that can independently and simultaneously analyze the stability of the states and the errors. Since our designed conditions do not require the Lipschitz condition, our approach is more relaxed than the existing approach. Finally, an illustrative example is given to show the effectiveness of the proposed approach.

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