知能と情報
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目次
特集:「人間・知能とVR」
会  告
特集論文:人間・知能とVR
原著論文
  • 阿部 真大, 中島 健太, 新妻 実保子
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 3 号 p. 651-656
    発行日: 2021/08/15
    公開日: 2021/08/15
    ジャーナル フリー

    仮想空間でのスムーズな作業を行うためには,空間を正確に認識し,三次元空間内の物体などの情報を直感的に扱えることが重要である.本研究では,HMDを用いた両眼視差に基づく立体視と.距離画像センサによる身体動作計測を融合したVRゲームを構築した.また,没入感や操作性を高めるために,振動グローブを用いて触覚情報を提示した.実験により,実スケールの身体動作,三次元立体視,触覚提示による物体操作の有用性を検証した.その結果,立体視によってゲームの印象が向上し,実スケール身体動作によりゲームのスコアが向上することが確認された.

  • 大塚 一輝, 嶋田 総太郎
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 3 号 p. 657-662
    発行日: 2021/08/15
    公開日: 2021/08/15
    ジャーナル フリー

    フルボディ錯覚は自分のものではない人工的な身体をあたかも自分の身体であるかのように感じる錯覚である.本稿ではVR空間上の人型のアバターに対するフルボディ錯覚について調査した.被験者はアバターが街中を前に進むVR映像を見ながら,その場で足踏みを行った.その際,アバターと被験者が同じ視点である1人称視点とやや後上方からアバターを見る3人称視点,アバターの身体の動きと被験者の動きが一致している同期条件とアバターの動きが被験者より400 msまたは700 ms遅れる非同期条件,それぞれの組み合わせ(視点×同期条件)で実験を行った.その結果,視点に関わらず動きが同期していれば運動主体感は生起したが,身体所有感は1人称視点で同期しているときにのみ生起した.この結果は,VRを用いて自己投射を行うアプリケーションに対して重要な知見を与えるものであるといえる.

  • 鈴木 涼, 望月 典樹, 大山 英明, 中村 壮亮
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 3 号 p. 663-670
    発行日: 2021/08/15
    公開日: 2021/08/15
    ジャーナル フリー

    没入型VRシステムでは,バーチャル身体の形状が実身体と異なる場合に,その操作性が低下するという問題がある.これに対して著者らは,その原因が身体定位を実現する脳内モデルである身体図式の乖離にあると仮定し,実身体の形状に適合されている身体図式をバーチャル身体の形状へと更新する身体図式キャリブレーションについてVR技術を用いた手法を提案してきた.しかし,既存研究では身体図式更新の特性調査は伸長方向の狭い範囲に限定されていた.そこで,特性調査をさらに進めるため,本論文では収縮方向の特性調査はもとより,更新の限界なども明らかにするべく広範囲での身体図式更新の特性調査を行った.結果として,身体図式キャリブレーションは両方向で対称的な特性を示し,極度に変化させた場合では更新の効果が低下した.

  • 大谷 拓也, 黒岩 祐志, 高西 淳夫
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 3 号 p. 671-677
    発行日: 2021/08/15
    公開日: 2021/08/15
    ジャーナル フリー

    人間の安定性感覚は人間の姿勢維持に関わる重要な感覚であり,安定性感覚を提示することができればVR体験のリアリティ向上などに繋がると考えられる.本研究では,安定性の指標の一つである重心投影点を再現するため,他者の足裏反力を再現する装置と重心投影点回答システムを用いて,他者の足裏反力を提示された際に,再現した足裏反力から推定した重心投影点を確認する実験を行い,実際の足裏反力を提示した場合は2 cmの精度で重心投影点推定が可能であり,0.1倍した足裏反力を提示した場合には推定が困難であることを確認した.

  • 中島 健太, 新妻 実保子
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 3 号 p. 678-685
    発行日: 2021/08/15
    公開日: 2021/08/15
    ジャーナル フリー

    近年,労働人口の15%が精神疾患を罹患しているといわれ問題となっている.治療には時間がかかるため,常日頃からの予防が求められる.精神疾患の予防の1つに,動物との触れ合いにより癒しや肉体的健康を得る手法がある.著者らは動物の代わりに三次元立体視型のVR技術を用いたバーチャルペットを導入した.バーチャルペットとのインタラクションを行うシステムをVirtual-pet Assisted Activity(VAA)と名付け心理的利点及び生理的利点を獲得することを確認した.しかし,システムの何が要因となり心理的効果や生理的効果に影響を及ぼしたか不明である.本研究では,これらの要因のうち,バーチャルペット要因とユーザの身体動作要因が,心理的・生理的効果に与える影響を調査する.実験の結果,バーチャルペット要因及び身体動作要因は,ともに心理的効果に影響を与えることを確認した.

一般論文
原著論文
  • 中村 幹太, 岡本 一志
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 3 号 p. 686-696
    発行日: 2021/08/15
    公開日: 2021/08/15
    ジャーナル フリー

    有向研究者ネットワークを使用し,共同研究における研究代表者と研究分担者の役割を考慮した研究者推薦モデルを提案する.提案モデルでは科学研究費助成事業データベースの研究課題データを用いて研究者間のエッジベクトルを定義し,ロジスティック回帰による推薦スコアの高い上位k人の推薦リストを出力する.評価実験では,推薦精度normalized Discounted Cumulative Gain(nDCG)@kを提案モデルと5つのベースラインモデルで比較する.ベースラインにはAdamic/Adar,Hasanモデル,CCRec,Arakiモデル,LDAcosinを用いる.実験結果より,同一機関に所属したことのある研究者を推薦する場合,推薦精度指標のnDCG@kがベースラインモデルよりも高くなることを明らかにしている.CCRec以外のモデルにおいて,代表者推薦よりも分担者推薦のnDCG@kが高いことから,予測の難易度が異なると考えられ,エッジの向きを考慮することで分担者推薦が容易に予測できる可能性を示唆している.提案モデルによって推薦される研究者は他のモデルに比べ代表者推薦のPageRankの平均が高く,共同研究の実施回数も多い研究者を推薦できることを確認している.提案モデルとHasanモデルの推薦リストの相違の比較より,推薦システムを実装する際には複数のモデルを組み合わせて推薦することが可能である.特徴量のロジスティック回帰分析により,共通代表者数と共通分担者数のオッズ比に差があることを確認している.これらの特徴量は有向グラフのみ定義可能であり,提案モデルが代表者と分担者の違いを考慮していることを示している.

  • 大前 佑斗, 豊谷 純, 原 一之, 權 寧博, 高橋 弘毅
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 3 号 p. 697-710
    発行日: 2021/08/15
    公開日: 2021/08/15
    ジャーナル フリー

    COVID-19の感染者数を削減するため,厚生労働省は,2020年6月にCOVID-19 接触確認アプリCOCOAを開発・リリースした.これにより,アプリ利用者は,PCR検査によって陽性判定となった感染者との接触の有無を知ることができる.接触通知を受け取った人が外出を控えることで,社会全体の感染者数を削減することが可能である.一方,2020年10月現在において,COVID-19の感染は収束していない.そのため,従来のCOCOAよりも効果的に感染者数を削減できる追加機能があることが望ましい.本論文ではこの機能の1つとして,2次接触者への通知機能を提案する.これは,感染者と接触した1次接触者のみならず,1次接触者と接触した2次接触者についても,接触情報を通知する機能である.本研究では,2次接触者への通知機能を持つCOCOAが有する感染者数の削減効果を検証するため,これを表現可能なシミュレータを開発した.本論文ではこの実装過程について言及し,感染者数削減効果を報告する.

  • 村松 歩, 山本 祐輔, 水野(松本) 由子
    原稿種別: 原著論文
    2021 年 33 巻 3 号 p. 711-717
    発行日: 2021/08/15
    公開日: 2021/08/15
    ジャーナル フリー

    本研究は,スマートフォンによる情動刺激後における脳波の相互相関解析を行い,脳内情報処理過程を調べることを目的とした.被験者は健常成人23名とし,心理検査により被験者をストレス群と非ストレス群の2群に分類した.実験は安静・快・不快・快文章・不快文章の刺激をスマートフォンから被験者に提示し,そのときの脳波を測定した.脳波は10/20法に基づき19電極の脳波を測定した.脳波解析には相互相関解析を用いてα1帯域(8–10 Hz)の全ての電極間の組み合わせ171通りの値を算出した.非ストレス群の不快,快文章,不快文章のATL値は,安静,快と比較して高値を示した.ストレス群では,すべての刺激時において,非ストレス群よりも高値を示した.ストレス群は非ストレス群と比較して脳内情報伝達が遅いことが示唆された.また,スマートフォンから受ける文章刺激は内容に関係なく脳内情報伝達が遅いことが示唆された.

ショートノート
  • 宮坂 清貴, 坂本 雄児, 山ノ井 髙洋
    原稿種別: ショートノート
    2021 年 33 巻 3 号 p. 718-722
    発行日: 2021/08/15
    公開日: 2021/08/15
    ジャーナル フリー

    音声を使用できない環境でも音声コミュニケーションを行う手法として,音以外の情報から発話動作を認識する方法(黙声認識)がある.筋電位図を用いて,発話単語の推定を行う研究は行われているが,音節の長さなどの,感情表現の情報が失われてしまう.本研究では筋電位図から発話単語の音節の長さを推定する方法を提案した.分類精度と平均誤差を調べた結果,提案手法によって音節の長さの推定が可能であることが明らかとなった.

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