知能と情報
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原著論文
パレート最適ルールを候補ルールとして用いる遺伝的ファジィルール選択
桑島 功能島 裕介石渕 久生
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2008 年 20 巻 2 号 p. 231-243

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抄録

近年,単純で高性能な識別器を設計するために,ファジィ相関ルールマイニング手法がパターン識別問題に対して用いられている.ファジィ相関ルールとは,データの中に存在する関係を,ファジィ集合を用いて If-then形式で記述したものである.このファジィ相関ルールの重要度を表す基準として,しばしば信頼度と支持度という基準が用いられる.データから相関ルールを抽出する相関ルールマイニングでは,信頼度と支持度の閾値を満たすルールが抽出される.抽出されたルールの中から識別に用いるルールを選択する場合,可能な組合せの数は莫大であり,全ての組合せを探索することは現実的に不可能である.それに対し遺伝的ファジィルール選択は,遺伝的アルゴリズムを用いて,識別に用いるファジィルールの組合せを効率的に探索する手法である.遺伝的ファジィルール選択を行うことで,単純で高性能な識別器を得ることができる.数値実験において,遺伝的ファジィルール選択を行うことで得られたルール集合を調査した結果,信頼度と支持度という点において他のルールに優越されないルール,すなわち,パレート最適ルールが多く含まれていることが分かった.そこで,本研究では,パレート最適ルールから遺伝的ファジィルール選択を行うことを提案する.数値実験結果から,提案手法では,少ない計算時間で,全ルールを候補ルールとして用いた場合と同程度の識別性能が得られることを示す.

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© 2008 日本知能情報ファジィ学会
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