知能と情報
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原著論文
カオス複素連想メモリによる多値パターンの動的想起の実現
中田 正雄長名 優子
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2008 年 20 巻 3 号 p. 423-432

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抄録
本論文では,多値パターンの動的な想起を行うことができるカオス複素連想メモリを提案する.提案モデルは複素連想メモリとカオス連想メモリを組み合わせたモデルである.複素連想メモリはニューロンの入出力や内部状態を複素数に変えたモデルである.複素連想メモリは入出力が複素数値を取るため多値パターンを扱うことができる.また,カオス連想メモリは生物の神経系などに見られるカオスをニューラルネットワークに導入することで記憶したパターンの動的な想起ができるモデルである.提案モデルはこれらのモデルの特徴を利用することで多値パターンの動的な想起を実現している.本論文では複素ニューロンモデルにカオスニューロンモデルと同様に不応性,時空間加算,連続値出力を導入することで提案するカオス複素ニューロンモデルにおいてカオス的挙動が起こることを示した.また,計算機実験によって提案モデルで多値パターンの動的想起が行えることを確認し,提案モデルにおける各パラメータおよび状態数が動的想起に及ぼす影響について検討した.
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© 2008 日本知能情報ファジィ学会
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