抄録
画像や音楽,香水,アパレルなどの検索を行う場合,従来からのキーワード検索では検索者の求める対象を探し出すことが難しい.このような検索に対しては,感性語による検索や複数の感性語毎に設定された値,感性ベクトルを用いて検索する手法が提案されている.しかし,検索者の主観的な感性イメージと検索システムに設定された感性イメージとのギャップにより,希望通りの対象を検索できない場合があるという課題がある.本論文では,検索者の過去の検索履歴とファジーモデリングを用いて,検索者の主観的な感性イメージと検索システムに設定された感性イメージとのギャップを自動学習し修正する手法を提案する.この自動修正により,従来のアンケート的な方式と異なり,Webなど不特定多数の手間を嫌うユーザでも意図した検索を行えることが期待できる.小規模な評価ではあるが,数回でユーザのイメージに近づき,提案手法により短期間で満足な検索が可能となった.