抄録
本研究では,作曲モデルを利用した対話型進化論的計算手法の作曲支援システムを作成している.作曲モデルは確率決定性有限状態オートマトンで,メロディーを学習し,その学習データをもとに作曲する.作曲モデルを個体とした対話型進化論的計算手法によって,ユーザの好みをモデルが学習し,ユーザの好みのメロディーを作曲する.ユーザが GUIで作曲モデルが作曲したメロディーを修正する.修正したメロディーの中からうまく選択して学習すると,好みに合うモデルとなる可能性があると考えた.実験の結果,作曲モデルは7曲メロディーを学習したときが,評価が一番高く,比較的修正したいと感じる曲数が多かった.そこで,7曲学習する作曲モデルを個体として,対話型作曲支援システムを実行したところ,世代が進む毎に作曲モデルの適応度が上がった.適応度は 12世代くらいで伸びが止まり,類似したメロディーだけになった.また,高い適応度の個体の子は類似したメロディーとなるために,高い適応度を持ちやすい.しかし,いろいろなメロディーを何度もを聞くうちに,ユーザの好みのメロディーが変わるために,適応度が一定しないことが分かった.世代を追うごとに作曲モデルだけでなく,ユーザの好みも明確化すると理解できる.