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原著論文
スケールフリーネットワークの生成方法およびベキ指数が結合振動子ネットワークの同期へ与える影響
村田 賢太鈴木 育男山本 雅人古川 正志
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2009 年 21 巻 2 号 p. 265-276

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抄録

クラスタリング係数が小さいスケールフリーネットワーク上の結合振動子ネットワークについて,ネットワーク構造の生成方法と次数分布のベキ指数が結合振動子全体の同期に与える影響について調査した.結合振動子のモデルとして,蔵本モデルをネットワーク構造上に拡張したモデルを導入し,ネットワーク構造として優先的選択法と配位法のそれぞれを用いて生成したネットワークを用いた.このような設定の下,数値計算実験によって系全体の同期コヒーレンスの時間平均 R と次数分布のベキ指数 γT の関係,および R と結合強度 σ の関係から,(1)ネットワーク生成方法および γT に依らず大きな σ で大域的位相同期が現われる,(2)大域位相同期下で γT の増加に伴い R がゆるやかに減少する,(3)2 < σ < 7 の範囲でコヒーレンス R がネットワークに強く依存するとともに, σ の増加に従ってコヒーレンスに強く影響を与える γT も増加する,(4)コーレンスの緩和時間も R と同様に 2 < σ < 7 の範囲でネットワークに強く影響を受けることを明らかにした.

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© 2009 日本知能情報ファジィ学会
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