2009 年 21 巻 5 号 p. 804-814
計算機システムにおけるユーザの挙動監視を利用した侵入者検出法として,白井らによって提案されたファジィ測度によるコマンド連鎖の個人評価法を取り上げ,この手法の効率評価を行う.他の侵入者検出法との比較を行うため,多くの性能評価に用いられてきたSchonlauらによって提供されたデータを用いる.このSchonlauデータは白井らがこれまでに対象としたデータとはその性格が大きく異なる.これはこのデータを対象とした侵入者検出評価にもさまざまな影響を与えると思われる.本論文では,ファジィ測度によるユーザ認証・侵入者検出法をSchonlauデータに適用し,ROC曲線による結果を報告する.またSchonlauデータの性格やデータを利用した侵入者検出法の問題と課題を分析する.