2009 年 21 巻 5 号 p. 827-836
本論文では,利用アプリケーション切り替え(focused Application-Switching: AS)時の割り込み拒否度低下期間の検討を行った.まず,AS前後で人間の内部状態が実際に変化するか,また,どの程度の期間で変化するかの知見を得るため,NIRS(Near Infrared Spectroscopy:近赤外分光器)を用いて,前頭前野のAS前後の脳活性量を測定した.次に,NIRS実験結果に基づくユーザへの時間差割り込み実験を行い,AS後の経過時間に従って割り込み拒否度が変化することを確認し,AS直後から高拒否度に至るまでの時間を検討した.実験の結果,割り込み拒否度低下期間は,2秒程度が目安になることが示唆された.