知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
Print ISSN : 1347-7986
ISSN-L : 1347-7986
原著論文
Peer-to-Peer 型クラウドコンピューティング技術による拡散データを統合する分散データベースサービスの検討
土屋 健吉永 浩和小柳 恵一
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 25 巻 1 号 p. 583-597

詳細
抄録

本論文では,Peer-to-Peer 型クラウドコンピューティング技術により,ネットワークに拡散するデータベースを仮想的に統合することで,巨大な論理データベースサービスの構築手法を提案している.現在,多くの機能・方式をもつデータベースが存在し,それぞれが機能・特性に応じたデータベースを構築してきた.これら情報を連携,活用することで高度な web サービスの創出を期待できる.本稿の提案モデルの構築するオーバレイネットワークは,インターネットに拡散しているデータベース方式,ロケーションに関係なく仮想的に単一データベースとして統合し,SQLによるRDBMS型と同様のデータ操作性と,分散ノードによるスケーラビリティ性という特性をもつことを評価によって明らかにしていた.また,提案モデルの特性を活用することで,ビッグデータへの対応手法について考察を行い,提案手法を実用化するために要求される機能,性能に関して検討を行っている.これら検討に基づき,今後の課題として,現在の実装の改善と,データのレプリケーション手法を明らかにすることで,提案モデルの実用性を高めることができるとまとめている.

著者関連情報
© 2013 日本知能情報ファジィ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top