知能と情報
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原著論文
BOLD信号による賦活状態識別のためのロジスティック関数を用いた差分進化法による識別器の最適化
星野 孝総岡 坂翔三谷 慶太
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2016 年 28 巻 3 号 p. 617-626

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抄録
脳で考えただけで機器を操作させるインタフェース技術の開発が多数行われている.脳波ではなく酸素の変化量を使った計測手法を用いたNIRS-based BCIは非侵襲で安全であると言われている.しかし,BOLD信号を安定的に捉えることが難しいという側面もある.我々は,これまで手運動時のfNIRS 装置からのBOLD信号から左手・右手の運動の開始と終了の推定をする識別器の開発を行ってきた.実用化に向けた検討の中で,識別器にはSVMを用いることは最も良いとされている.また,被験者固有のパラメータを高速に導出し,使用者負担の少ないキャリブレーションシステムの開発を目指し研究を進めてきた.そこでは,識別器の汎化能力を維持しながら,コンパクトかつ高速に最適化しなければならない.そこで,最適化手法の一つである差分進化法を用いた探索手法を提案し,タッピング運動課題時のBOLD信号のデータを用いた実験を行った.実験結果から従来提案されている格子点探索方法よりも速く,かつコンパクトなSVMの最適化パラメータを見つけることが可能であることを示す.
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© 2016 日本知能情報ファジィ学会
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