知能と情報
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ショートノート
支援物資の継続的な供給を目指した災害対応システムの提案 -アリの反応閾値モデルを基にした自律分散型システム-
佐藤 祐亮岩津 智士伊藤 一之
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 31 巻 1 号 p. 586-591

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抄録

大規模災害時には,多数の避難所が開設されるとともに,避難生活も長期化することが予想され,それぞれの避難所に,絶えず必要な量の食料を供給し続けることが必要とされる.しかし,実際の災害時には,混乱のなかで情報を一元管理し,必要な場所に必要な救援物資を送るためのプランニングを行うことは現実的ではなく,救援物資を如何にして,必要とされる場所に必要とされる時間に届けるかは,早急に解決しなければならない重要な課題の一つとなっている.この問題に対し,本研究では,アリがコロニーを維持するために用いているとされるアルゴリズムを応用し,分散型の支援物資供給システムの基礎構造を提案する.また,提案したシステムを用いることで,情報を管理する中央集権型のシステムを用いることなく,非常に簡単な仕組みで,必要とされる場所に必要とされる時間に救援物資を届けることが可能となることを簡略化されたモデルを用いてシミュレーションにより示す.

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© 2019 日本知能情報ファジィ学会
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