抄録
顆粒状合成ハイドロキシアパタイトの操作性,填塞部での維持安定性の改善,石灰化能,殺菌性を付与する目的で開発された合成ハイドロキシアパタイト・酸化亜鉛ユージノールセメント複合材(HAP-ZOE complex)の初期催炎性について皮膚接触試験による毛細血管の拡張,血管透過性の亢進を指標として実験を行い,その結果を主成分である酸化亜鉛ユージノールセメント(ZOE cement),ユージノール(Eugenol)と比較検討した.
HAP-ZOE complexはその主成分であるZOE cement,Eugenolよりも催炎性が強く,原因は合材化の時の化学反応による高アルカリ性にあると考えられた.ZOE cementは硬化反応, Eugenolは材料自体の刺激性のため,文献的に述べられている鎮痛,鎮静作用に反して比較的強い催炎性がみられた.