日本口腔インプラント学会誌
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特集 インプラント治療時の患者年齢と補綴方法を考察する
  • 武田 孝之, 関根 秀志
    原稿種別: 特集 インプラント治療時の患者年齢と補綴方法を考察する
    2019 年 32 巻 2 号 p. 84
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー
  • 椎貝 達夫, 田口 達夫
    原稿種別: 特集 インプラント治療時の患者年齢と補綴方法を考察する
    2019 年 32 巻 2 号 p. 85-91
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー

    歯科インプラントが臨床応用されて54年が経過し,欠損補綴の1つとして良好な結果が得られてきた.しかし,日本の歯科治療が直面している超高齢化社会に対してはさまざまな対応が必要になってきている.そこでわれわれはインプラント治療の長期症例から口腔内の変化として何が起こっているのかを考察し,超高齢化社会に対応した超長期治療計画として役立たせたいと思う.

    長期症例の多くでは患者の年齢と口腔内の変化に深い関係性があると思われる.しかし,患者固有のリスクがあるため,

    一概に年齢と口腔内の変化を統一して考えられないことも事実であることから,長期症例の変化(約20年の変化)を以上の5つのグループに分け,その中から変化に特徴がある2),3),5)について症例を通じて考えてみた.

    1)若い年代で大きな変化が少ないグループ

    2)中高年代で変化が穏やかなグループ

    3)中高年代で無髄歯,ペリオで喪失するグループ

    4)高年齢で根面う蝕の発生が高くなるグループ

    5)その他として咬合力,免疫等のリスクが高い大きな変化をするグループ

    今回提示した長期症例から学ぶことは治療開始年齢と欠損歯数,欠損形態,残存歯の状態は長期安定に大きく影響するということである.つまり,以下の長期経過から予測される下記1〜4を踏まえて長期治療計画を考えることが重要になる.

    1.欠損歯数が少なく,欠損形態が単純で残存歯の状態が良好の場合はトラブルが少ない傾向がある.

    2.欠損歯数が多く,欠損形態が複雑の場合は残存歯のトラブルが多い傾向がある.

    3.残存歯の状態が悪く,咬合力が強い場合には残存歯とインプラント部のトラブルが多い傾向がある.

    4.悪習癖があり,咬合力が強い場合はインプラント治療が有効な治療法とはいえない傾向がある.

    しかし治療開始時期にすべてを把握できるわけではないため,インプラント治療後にも健康状態を把握しつつ,常に口腔内の変化を予測し,状況を見極めて対応も変化させていくことが重要と考える.また,その考えが超高齢化社会に対応した超長期治療計画として役立つと思われる.

  • 黒嶋 伸一郎, 澤瀬 隆
    原稿種別: 特集 インプラント治療時の患者年齢と補綴方法を考察する
    2019 年 32 巻 2 号 p. 92-101
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー

    デンタルインプラント治療を含めた高齢者への歯科治療をどのように展開すべきかの議論は継続的に行われているものの,導かれる結論はほとんどなく,有効な治療ガイドラインやポジションペーパーなどは発行されていない.一方,患者の高齢化は種々の問題を生み出しており,それらの問題に対して適切に対応できるデンタルインプラント治療が求められているといえる.しかしながら,現在どのような問題が存在しているかもはっきり分からないことから,私たちが一体何をすべきかを考えること自体が困難なように思える.したがって,本論文では,人口動態,高齢者の定義,平均寿命と健康寿命,フレイル,サルコペニア,ロコモティブシンドローム,高齢者の認知機能,高齢者の栄養状態,オーラルフレイルと歯科治療,リスク因子の簡易的予測法について整理し,高齢患者とデンタルインプラント治療について解説する.本論文にも高齢患者に対するインプラント治療をどうすべきかに対する明確な回答はないが,一歩でも先に進むための一助となれば幸いである.

  • 菊谷 武
    原稿種別: 特集 インプラント治療時の患者年齢と補綴方法を考察する
    2019 年 32 巻 2 号 p. 102-106
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー

    口腔機能は加齢とともに低下する.全身の機能の低下に伴い低下する.歯やインプラントの存在は,健康増進やフレイル予防に有効である.一方で身体機能の低下した患者にとってはその効力を相対的に失う.さらに重症の要介護状態では,歯やインプラントの存在が口腔環境や生命のリスクとなる場面もある.歯の存在がリスクとならないように,あらゆるステージにおいても口腔管理が適正に実施されなければならない.自立を失った高齢者に十分な口腔管理が提供できない現状は早期に解決しなければならない歯科の課題である.

特集 海外の基礎研究はインプラント治療をどう変えたか?:From Bench to Clinic
  • 尾澤 昌悟, 江草 宏
    原稿種別: 特集 海外の基礎研究はインプラント治療をどう変えたか?:From Bench to Clinic
    2019 年 32 巻 2 号 p. 107
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー
  • 加来 賢, 井田 貴子, 長澤 麻沙子, 魚島 勝美
    原稿種別: 特集 海外の基礎研究はインプラント治療をどう変えたか?:From Bench to Clinic
    2019 年 32 巻 2 号 p. 108-115
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー

    デンタルインプラントにおける術前検査と埋入プロトコルが確立されつつある現在では,その長期予後をいかにして予測し,これを維持するかが新たな課題となっている.長らく歯科界でインプラント適用時の判断基準として使われてきた概念,すなわちインプラント埋入部位の骨量と骨密度を基にした分類は,インプラントの初期固定と骨の力学的支持能力を評価する際に効果的であることは明白である.しかしながら,整形外科領域で診断根拠として用いられる“骨質”は,骨の機械的強度に影響を及ぼす因子の中でも骨密度以外の要素を指し,時に歯科で使われる“骨質”とは全く異なる概念である.整形外科領域で使われる“骨質”の代表的な要素の一つであるコラーゲン架橋は,コラーゲン生合成の過程において細胞内外で生じる一連の翻訳後修飾の結果として形成される分子間架橋であり,その量や構成比が組織の機械的特性に寄与していることが知られている.また,近年の研究から,組織中のコラーゲン架橋は細胞活性を制御することが報告されており,骨組織中のコラーゲン架橋は組織の機械的強度に影響を及ぼすだけでなく,局所的な骨代謝回転を制御する因子としても機能していると考えられる.本総説では骨質の一要素でもあるコラーゲン架橋の新たな機能と,そのインプラント治療における臨床的意義および将来的な展望について紹介する.

  • 神野 洋平, Michele STOCCHERO, Marco TOIA, Jonas P. BECKTOR
    原稿種別: 特集 海外の基礎研究はインプラント治療をどう変えたか?:From Bench to Clinic
    2019 年 32 巻 2 号 p. 116-125
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー

    インプラント治療は,口腔内欠損補綴治療になくてはならない治療オプションの一つである.初期固定はオッセオインテグレーション獲得の必要条件であり,即時負荷・早期負荷が一般的な術式になるに従い,より安定した初期固定が要求されるようになってきた.高い初期固定値獲得のため,インプラント体のマクロ・マイクロレベルのデザインの変更,新しい術式など多くの工夫が紹介されてきた.アンダーサイズドリリングテクニックは最も一般的に臨床採用されているインプラント外科手技である.埋入するインプラント体の直径より小さな径の埋入窩を形成することにより,インプラント体と骨の界面で生じる圧縮応力に期待し初期固定を得る術式である.外科医は,埋入トルク値としてその効果を感じることができる.

    アンダーサイズドリリングは広く普及した術式であるが,まだまだ解明されていない側面も多い.インプラント体埋入時の大きな圧縮力が周囲骨組織の微小損傷を惹起し,治癒期間中にネガティブな影響を与える.すなわち骨の材料特性の低下・インプラント体の安定の低下・周囲骨の吸収・そして最悪の場合インプラント体の喪失につながる可能性があるという仮説のもと,アンダーサイズドリリングテクニックについてさらなる理解を深めることが本論文の目的である.われわれの研究の着想に至った背景および,第48回日本口腔インプラント学会学術大会・シンポジウム10で発表した研究結果を紹介する.

  • 鬼原 英道, 畠山 航, 近藤 尚知
    原稿種別: 特集 海外の基礎研究はインプラント治療をどう変えたか?:From Bench to Clinic
    2019 年 32 巻 2 号 p. 126-132
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー

    多くの研究において,インプラント周囲炎の病態は歯周病に類似しており,プラークの蓄積を原因として周囲粘膜に炎症が惹起されると報告されている.一方,インプラント周囲粘膜の組織像は天然歯のものと異なり,結合組織付着および上皮付着が弱く,感染に対して抵抗性が低いとされている.これまでに,インプラント周囲炎に関するさまざまな治療法が報告されているが,確実な治療法は示されていない.このような状況下で,インプラントの長期予後獲得のためにさまざまな基礎的研究が行われており,その一つとしてインプラント粘膜貫通部の強化に関するものが挙げられる.

    2015年よりわれわれ岩手医科大学補綴・インプラント学講座は,ハーバード大学歯学部と,チタンと軟組織の接着の向上を目的とした共同研究を行っている.われわれの研究では,純チタン研磨面にPAリンカーを介して上皮細胞誘導ペプチドを結合し,上皮細胞の強固な接着を確認している.この研究を通して,さらに今後の軟組織接着研究の展望を考察する.

総説
原著(臨床研究)
  • 関 啓介, 西澤 智香子, 大野 立人, 紙本 篤, 萩原 芳幸
    原稿種別: 原著(臨床研究)
    2019 年 32 巻 2 号 p. 140-147
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー

    目的:本邦における高血圧症の患者は約4,300万人と推定され,インプラント治療患者のなかでも高い有病率を示すと考えられるものの,降圧剤服用とインプラント治療の関連性は不明な点が多い.このため,種々の降圧剤の服用がインプラント周囲組織の臨床的パラメータに与える影響を臨床的に検討した.材料および方法:2016年11月から2018年4月までの間,メインテナンスのため来院した患者を対象とし,カルシウム拮抗薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)による治療を受けているものを降圧剤服用群(Antihypertensive Medications:AH群),全身疾患がなくいずれの服薬治療をうけていないものを健康群(Healthy:H群)とした.喫煙者と中等度以上の歯周炎の既往があるものは除外し,上部構造装着時から6カ月以上経過したものを調査対象とした.評価項目は,プロービング深さ(PPD),プロービング時の出血(BoP),骨吸収量(MBL)を調査し統計学的に検討を行った.結果:対象は患者35名(男性10名,女性25名),インプラントは総計70本であった(H群:25名,46本,AH群:10名,24本).全体の平均メインテナンス期間は5年6カ月,インプラント周囲炎の発症率は5.7%であった.二群間の比較では,PPDとMBLがAH群で有意に大きかった.AH群内では,BoPMBLに正の相関がみられた.結論:中期的なメインテナンス治療では,カルシウム拮抗薬やARBを服用する患者のプロービングデプスや経時的な骨吸収量が増加している可能性が示唆された.

原著(基礎研究)
  • 中西 功, 戸田 伊紀, 竹村 明道
    原稿種別: 原著(基礎研究)
    2019 年 32 巻 2 号 p. 148-155
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー

    臨床で応用されているコラーゲンは,ウシ・ブタ由来のため,人獣共通感染症の危険性を払拭できない.一方,魚の鱗由来のウロココラーゲンは,人獣共通感染症の心配がないとされる.そこで,ウロココラーゲンはウシ・ブタ由来コラーゲンに代わる材料として期待できる.

    実験動物にラットを用い,頭蓋冠に形成した直径8mm,深さ約2mmの骨欠損にウロココラーゲンスポンジを応用した.術後4週と8週に試料を作製し,マイクロエックス線CTで撮影した.撮影データをもとに,骨欠損に対する新生骨の面積比,骨体積,骨塩量,骨密度を計測して対照群と比較した.

    新生骨の面積比や骨体積ならびに骨塩量では実験群のほうが多い傾向を示した.また骨密度は,術後4週から術後8週にかけて有意に増加するものの,術後4週では対照群よりも低値であったが,術後8週では対照群とほぼ同じ骨密度となった.

    これらのことは,ウロココラーゲンは,細胞増殖能や骨芽細胞の初期分化促進機能に優れているとされることから,骨形成に関与する細胞の増殖が進んだためと考えられた.したがって,ウロココラーゲンは骨形成に効果的な要因を持った材料であり,従来のウシ・ブタコラーゲン材料の代用となることが示唆された.

調査・統計・資料
  • 長 太一, 和田 義行, 吉谷 正純, 上林 毅, 板橋 基雅, 森下 長, 前田 大輔, 吉村 治範
    原稿種別: 調査・統計・資料
    2019 年 32 巻 2 号 p. 156-163
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー

    目的:下顎インプラント治療の合併症は下顎骨の特異的な性状や解剖学的形態により深刻となることがある.一方,近年の診断機器の進歩などが合併症の減少に寄与しているとの期待がある.治療技術や環境の変化後の合併症の現状を明らかにするためアンケート調査を行った.対象と方法:(公社)日本口腔インプラント学会専門医・指導医51名に2012年4月1日から2015年3月末日までの3年間を対象とした「下顎インプラント治療における合併症とそれに係る診療体制に関するアンケート調査」を行った.結果:下歯槽神経麻痺は指導医では22%,専門医では21%の経験があった.舌側への穿孔は指導医では22%,専門医では10%の経験があった.考察・結論:インプラント治療の技術や設備環境の変化にもかかわらず合併症は高い確率で経験されていた.自院スタッフとの連携,他の医療機関との連携が合併症の予防と対策に重要と考えられた.

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