日本口腔インプラント学会誌
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調査・統計・資料
口腔内スキャナを用いた口腔衛生評価の予備的検討
土井 一矢宗永 ちひろ小畠 玲子大上 博史川越 麻衣子津賀 一弘
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2024 年 37 巻 1 号 p. 69-73

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抄録

セルフケアならびにプロフェッショナルケアによる定期的な口腔衛生管理は,歯周病やインプラント周囲炎の予防にとって重要である.口腔衛生管理を良好とするためには,プラーク付着部位を術者ならびに患者がわかりやすく認識できることが必要となる.そこで,口腔内スキャナ(以下IOS)を用いた口腔衛生評価についての予備的検討を行った.

インプラントメインテナンス患者(8名)に対して,プラーク染色を行った後,IOSにより口腔内歯列を記録した.プラーク付着の評価はO'Leary's Plaque Control Record(以下PCR)により行い,口腔内から直視下にてPCRを測定(以下直視-PCR)し,その後, IOSより記録したデジタル画像にてPCRを測定した(以下IOS-PCR).さらに,患者に対してIOSによるデジタル画像をモニターに表示して,プラーク付着部の説明など口腔衛生指導を行った.PCR値(直視-PCRおよびIOS-PCR)について比較検討を行い,また患者へのアンケートを実施した.

IOS-PCR値は直視-PCR値に対して高値を示した.アンケート結果ではIOSを用いることで,モニター上でプラーク付着部を確認でき口腔衛生状態がわかりやすい,などの結果を得た.

口腔衛生状態の評価のために,プラーク付着部をIOSにより記録し評価することは,可視化して認識できることなど術者ならびに患者にとって有用であることが示唆された.

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