日本口腔インプラント学会誌
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特集 インプラント治療における口腔内スキャナーのさらなる適応拡大と限界を知る
補綴主導型インプラント治療におけるIOSと静的サージカルガイドの有用性
植松 厚夫
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2025 年 38 巻 4 号 p. 277-284

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抄録

日本においても,2016年にデジタル印象採得装置として口腔内スキャナー(Intraoral Scanner:IOS)が承認されるようになり,口腔内から直接的に情報を採得できるようになった.

いままでアナログ的に行ってきた補綴主導型インプラント治療をデジタル技術を活用したガイデッドサージェリーを用いることで,補綴装置の設計に適したインプラント埋入位置を三次元的に再現することが可能になった.

インプラント治療にIOSを用いることで従来の印象採得と大きく異なる利点は,無圧印象が可能となり,被圧変位量の少ない天然歯や口腔軟組織の三次元的な位置,形態を基準にした治療計画立案ができることである.IOSを用いることで術前検査において無圧で軟組織情報を採得できるようになり,CBCTを用いて得られていた三次元的な硬組織情報と統合することで,デジタルワックスアップされたクラウン形態から導き出されたインプラント埋入位置とそれに伴う軟・硬組織の形態的関係から,外科的侵襲の少ない治療法を設計・選択することが可能になり,それらを具現化するためにサージカルガイドの製作が必要になってきた.サージカルガイドの製作手順に関しては種々な方法が考えられるが,代表的なフローチャートを部分欠損と全部欠損で整理した.

歯科インプラント埋入は,従来のフリーハンドで行っていたときと比較して,コンピュータ支援によるガイデッドサージェリーを行うようになり,術前検査の段階から精度と予知性の向上にたいへん役立つようになってきている.

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