日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム6:「エナメル上皮腫診療ガイドライン」
歯原性腫瘍ガイドラインWG3の活動報告(総説)
野村 武史
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2016 年 28 巻 4 号 p. 246-255

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抄録
2005年にWHOが歯原性腫瘍の組織分類を発表したのを受け,日本口腔腫瘍学会は歯原性腫瘍のガイドラインを作成するためのワーキンググループを設置した。まず口腔外科診療施設を対象に全国調査を実施し,集計を行った。その結果,歯原性腫瘍5193例中エナメル上皮腫が最も多く28.1%,次いで角化囊胞性歯原性腫瘍24.2%,歯牙腫20.8%であった。次に全国から集計されたエナメル上皮腫947例の調査を行った結果,充実・多囊胞型が74.9%と最も多く,次いで単囊胞型が17.1%,類腱型が4.1%,骨外型/周辺型が3.0%であった。治療法は,顎骨保存療法が83.6%,顎骨切除法が73.8%であった。この結果をふまえ,2015年に「科学的根拠に基づくエナメル上皮腫診療ガイドライン」を作成した。
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© 2016 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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