日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
Print ISSN : 0915-5988
ISSN-L : 0915-5988
化学療法ならびに放射線療法により縮小手術の可能性を示唆した下顎歯肉癌進展例の1症例
結城 勝彦柳田 隆岩淵 皐深沢 肇関山 三郎
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 1 巻 2 号 p. 277-283

詳細
抄録
口腔癌に対し, 機能保存を目的とした化学療法および放射線療法の併用による治療後, 残存した腫瘍に対し通常初診時の占拠範囲に周囲の正常組織を含めて切除している。
今回, 進展した歯肉癌症例に対しBMP療法および放射線の併用療法を施行し, 著しい効果を認めたが臨床的に腫瘍の残存が疑われたため, 初診時の腫瘍占拠部のみの切除にとどめ良好な結果をえた症例を経験した。摘出物の病理組織所見では, 原発巣部は瘢痕化し腫瘍組織の残存は認められなかったため併用療法が有効であったことになる。しかし高齢者や全身状態の不良な症例・進展例で, 臨床的に一部小範囲に腫瘍の残存が疑われる場合の手術に際しては, 口腔領域では容易に直視直達が可能であることからも, 臨床所見に基ずき切除範囲を狭める縮小手術の可能性を本例は示唆しているものと考えられ今後も十分な経過観察を行って行く予定である。
著者関連情報
© 日本口腔腫瘍学会
前の記事
feedback
Top