歯科薬物療法
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Imipenem投与下の抜歯後菌血症を3種の培地 (Bctec, FAN と VITAL ANA) で比較した実験
青木 隆幸小林 寅〓
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1996 年 15 巻 3 号 p. 179-183

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抄録
抗菌薬の予防投与を行わず, 抜歯などの歯科観血処置を行った場合, 処置直後の静脈血では69.2%で血液培養が陽性になる事をMorishima & Sasakiが報告した.最近抗菌薬の予防投与を行い抜歯などの歯科観血処置直後の菌血症の発現率の検討を行っている.血液培養の培地としては, Beckton DickinsonのBactec16AとBactec17Aを用いてきた.近年は菌血症の検索のためにOrganon TeknikaのFANとbio Merieux VitekのVITAL ANAも用いられるようになってきた.Bactecと他社のものを比較してみる必要があり, イミペネム (IPM) の予防投与下に3種類の培地を用いて比較検討した.
その結果, BactecとFANでは12症例中2例で菌を検出することができた.これは, 両培地中の抗菌薬中和剤 (吸着剤) が働いたためと判断される.
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© 日本歯科薬物療法学会
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