抄録
備讃瀬戸航路とその周辺には,サンドウェーブ(波高数m波長数十m程度の連続した砂堆)が存在する.サンドウェーブによって航路水深が局所的に浅くなる航行障害が生じており,航路障害を未然に防ぐため,計画的な維持管理を行うことが求められている.本研究では,地形形状や潮流速を外力条件とするサンドウェーブの発達予測モデルを開発した.予測モデルは,河床波の安定理論を基に,海底砂の水中安息角による制限条件,および,サンドウェーブの谷における砂礫移動の連続性による制限条件を加えた.また,サンドウェーブの勾配に比例する漂砂量を加えることによって,サンドウェーブ波高の時間発達式および移動速度の式を求めた.既存調査のサンドウェーブの波高,波長,移動速度などの値をもとに,予測式に含まれるパラメタを決定した.