日本小児アレルギー学会誌
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ワークショップ2  アトピー性皮膚炎治療の素朴な疑問について考えよう
あなたはアトピー性皮膚炎と診断できるか?
~適切な治療のために, とくに一般小児科医として~
村田 卓士岡藤 郁夫福家 辰樹海老島 優子二村 昌樹森川 みき南部 光彦
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2016 年 30 巻 1 号 p. 63-74

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抄録

一般小児科医がアトピー性皮膚炎を診療するうえで, 早期介入とアドヒアランス向上のために必要なことは「適格な診断」であることはいうまでもない. そのためにはまず, 初診時に皮膚病変をよく見てその性状を正しく評価することである. そして, HanifinとRajkaの診断基準, あるいはわが国オリジナルの「日本皮膚科学会の診断基準」などを参考に, アトピー性皮膚炎として矛盾しないか照らし合わせてみる. 確定診断し, 治療開始後も鑑別や治療に難渋したら, 他科 (皮膚科) との連携も密に行って他疾患や合併症の評価と治療方針を再考すべきである. 治療経過中の重症度の評価は重要で, 広く使用されている重症度分類を参考に客観的な評価を心がける. 重症度評価において検査上最も有用であるのはTARCであり, 末梢血好酸球数, 血清IgE, LDHも含めて総合的に評価するのが望ましい.

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© 2016 日本小児アレルギー学会
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