【背景】食物アレルギー(FA)の多くは非アレルギー専門医(非専門医)が診療している.
【目的】FA児に対する非専門医の診療内容を明らかにする.
【方法】2017年度,富山市保育所に提出されたアレルギー疾患生活管理指導表の記載内容を調査した.
【結果】入所児童は11,292名で,生活管理指導表の提出者は740名(6.6%)であった.うち431名(58.2%)は非専門医が記載していた.非専門医が記載した対象者は,専門医に比してアナフィラキシー既往者が有意に少なかったが,除去食物数の差はなかった.除去根拠は鶏卵,牛乳で食物負荷試験陽性が専門医の方で有意に多かった(鶏卵8.8%/1.0%,牛乳8.9%/1.7%).非専門医は卵殻カルシウム,乳糖で有意に多く除去を指示していた.
【結論】非専門医は半数以上のFA児の診療をしており,微量成分を含む除去指示を多くしていた.今後,専門医との医療機関連携を通じ,食物アレルギー診療の均てん化を進める必要があると考えられる.
食物アレルギー児に対する非アレルギー専門医の診療内容を明らかにする目的で、アレルギー疾患生活管理指導表の記載内容を調査した。生活管理指導表の提出者のうち過半数は非専門医が記載していた。非専門医は微量成分の除去指導が有意に多く、適切なタイミングでの専門医への紹介などが必要である。
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