【目的】食物アレルギー(FA)対応の改善策を提案する.
【方法】保育施設の給食責任者に質問紙調査を実施した.
【結果】対応食の栄養量は給与栄養目標量に対して充足していない8.6%,考慮していない29.6%と多かった.生活管理指導表使用施設は53.8%と少なかった.栄養評価の未実施施設は39.1%と多かった.保護者との継続面談実施施設は73.6%であり,初回面談に比べ少なかった.施設職員から嘱託医に対し,FAに関する相談を行う施設は22.2%と少なかった.給食責任者によるFA対応の実施状況の評価は,「かかりつけ医との連携」「嘱託医との連携」の項目が特に低かった.
【結論】FA対応の課題は対応食の栄養量の配慮不足,生活管理指導表の使用不足,嘱託医との連携不足,栄養評価不足,継続面談の未実施であった.改善策として,情報共有システム構築のために保育施設から嘱託医へ生活管理指導表の提供を必須条件とし,さらに保育施設から栄養評価等の記載欄を追加することを提案する.
保育施設の給食責任者にFA対応の質問紙調査を行った結果、対応食の栄養量、栄養評価、生活管理指導表の使用、継続面談、嘱託医への相談の不足が課題として挙げられた。改善策として、生活管理指導表について、保育施設から嘱託医への提供を必須にすること、保育施設からの記載欄の追加を提案する。
Fullsize Image
抄録全体を表示