日本小児アレルギー学会誌
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総説
食物アレルギーの発症予防
松本 健治
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ジャーナル 認証あり

2016 年 30 巻 4 号 p. 574-579

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抄録

食物抗原特異的なIgE抗体の産生を阻止する一次予防のためには, 主要な感作経路である乳幼児期の湿疹 (アトピー性皮膚炎) の発症予防, 発症した場合には適切な治療を行うことが重要である. また, 経口免疫寛容の誘導のためには, 乳児期早期に離乳食での摂取を始めることが推奨される. 今後は, 具体的な離乳食の進め方 (どのような児に, いつから, どのような食材で, どれくらいの量で) や, すでに湿疹がある児 (感作が成立している可能性がある) に対する離乳食の安全な開始方法の開発が望まれる. また, 湿疹以外の経路による感作 (経胎盤感作, 経腸感作など) の機序の解明も重要な課題となろう.

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© 2016 日本小児アレルギー学会
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