日本小児アレルギー学会誌
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総説(シンポジウム5:食物アレルギーの診療連携体制の構築より)
拠点病院の役割
藤澤 隆夫
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2020 年 34 巻 1 号 p. 65-70

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抄録

アレルギー疾患対策基本法の下で,中心拠点病院と都道府県の拠点病院が整備されつつあるが,具体的なあり方は未だ模索中である.私たちは厚生労働省のモデル事業を受託したので,その試みを報告する.まず,県医師会の協力を得て,「アレルギー診療ネットワークみえ」を構築した.県民への情報提供ホームページ「アレルギーポータルみえ」掲載希望の医療機関を公募する形でスタート,掲載基準をガイドラインにもとづく診療を行っていることとして,質の担保を試みた.オンライン診療システムを応用した病診連携の新たな形も模索した.人材育成では,アレルギー疾患療養指導を行えるメディカルスタッフ養成コースを開始した.すでに活躍しているPAEは質は高いが,数が少ないことが問題である.そこで地域に根ざした指導スタッフ=地域PAEで裾野を拡げることを目指す.その他,ショッピングモールでの出前講座など啓発活動の試みも紹介する.

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© 2020 日本小児アレルギー学会
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