日本小児アレルギー学会誌
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原著
グミ摂取でのアナフィラキシーからペクチンアレルギーと診断したカシューナッツアレルギーの1歳女児例
高瀬 貴文金井 怜西田 敬弘一木 洋祐有馬 智之岩井 郁子山田 慎吾杉田 和也長尾 みづほ徳田 玲子藤澤 隆夫
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2024 年 38 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

【緒言】ペクチンはよく用いられる食品添加物である.カシューナッツ(CN)とペクチンの交差感作が報告されているが,あまり認識されていない.

【症例】1歳10か月の女児.1歳3か月時にミックスナッツ摂取後の急性蕁麻疹とCN,クルミ特異的IgE陽性から,これらのナッツアレルギーと診断された.今回,フルーツグミ摂取後に発症した全身蕁麻疹と活気不良のため救急搬送を受けた後,原因不明のアナフィラキシーとして当院に紹介された.グミの食品成分はペクチン,水飴,砂糖,数種類の果実エキスであり,ペクチン以外は症状なく食べられることを確認,ペクチンアレルギーを疑い,ペクチンに関連するアレルゲン抽出物でプリックテストと好塩基球活性化試験を行った.いずれもペクチンに陽性反応を認め,ペクチンアレルギーと診断した.

【考察】CNアレルギー患者の中に,ペクチンアレルギーを合併する例がある.CNアレルギーは近年増加傾向であり,原因不明のアナフィラキシーがCNアレルギー患者に発症した場合はペクチンアレルギーを疑う必要がある.

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